おすそわけ

しらほ

名も無きTVディレクター。「座標軸」を探す日々。

Re[2]:お笑い芸人さんの会見について

2012/06/01
投稿者
しらほ
投稿日
2012/06/01

今回の報道について、
弁護士さんなどによる「生活保護問題対策全国会議」が、
「緊急声明」を出しました。
一部抜粋させて頂くと・・・。

「●扶養義務者の「扶養」は、保護利用の要件とはされていないこと
●成人した子どもの親に対する扶養義務は、
「その者の社会的地位にふさわしい生活を成り立たせた上で、
余裕があれば援助する義務」にすぎないこと
●しかも、その場合の扶養の程度、内容は
あくまでも話し合い合意をもととするものであることなど、
扶養のあり方に関する正しい議論がされないまま、
一方的に「不正受給」が行われているかのごとき追及と報道がされている」
とあります。

「扶養義務者による扶養は保護の前提条件とされていない」と
いうことについては、
厚生労働省も、自公政権時代の2008年に
「扶養が保護の要件であるかのごとく説明を行い、
その結果、保護の申請を諦めさせるようなことがあれば、
これも申請権の侵害にあたるおそれがあるので留意されたい」との
通知を出しているとのことです。

また、「生活困窮者の中には、DV被害者や虐待経験者も少なくなく、
家族との関係が希薄化・悪化・断絶している人がほとんである。
かつて、札幌市白石区で25年前に発生した母親餓死事件は、
まさに、保護申請に際して、
この扶養をできない証明を求められたことが原因となって発生した事件であった」
「今年に入ってから全国で『餓死』『凍死』『孤立死』が相次いでいるが、
目下の経済状況下で、
雇用や他の社会保障制度の現状を改めることなく、放置したままで
生活保護制度のみ切り縮めれば、
餓死者・自殺者が続発し、犯罪も増え社会不安を招くことが目に見えている」

さらに、「生活保護制度利用者が増えたといっても
利用率は1.6%に過ぎず、先進諸国に比べて異常に低いこと、
『不正受給』は金額ベースで0.4%弱で推移しているのに対して、
補足率(生活保護利用資格のある人のうち現に利用している人の割合)は
2~3割に過ぎず、
むしろ必要な人に行きわたっていないこと(漏給)が大きな問題であることなど、
生活保護制度利用者増加の原因となる事実が置き去りにされている」とあります。

「生活保護問題対策全国会議」は、緊急声明を出した2日後にも、
「扶養義務と生活保護制度の関係の正しい理解と冷静な議論のために」と題した
発表をしていますので、皆さんも読んで頂きたいのですが、
その末尾に、2006年3月4日、
大阪市立大学における日独ホームレス問題国際シンポジウムにおいて、
前ドイツ連邦副議長であるアイテイエ・フォルマー氏が冒頭で述べた言葉を
紹介していました。最後におすそわけ致します。

「その社会の質は、最も弱き人がどう扱われるかによって決定される」

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