てげてげ。

鎮守庸代

現在、ロンドンにて生活。 遠く離れても、心は故郷・鹿児島に。

不可解、だからいいのかも。

2014/05/08




気づくと5月だった。
忌野清志郎さんの命日も過ぎていた。
イギリスは完全に春である。
日本では消費税が上がって1ヶ月と少し、か。

先日、こちらであるものを購入しようとしたら
なかなかかなりの値段だったので、
参考程度に、日本のオンラインショップで値段を調べてみた。
予想以上に安い。
関税+郵送代を考えても安い。
ということで、ありがたくクリックさせていただいた。
しかし購入過程で、それが税抜き価格だったことがわかった。
あー、今はこういう表示ができるんだ。
あー、まぎらわしい。
わかってはいるけど“ダマされた”感じは否めない。

イギリスにももちろん消費税はある。
仕組みが少し違って、
こちらで消費税にあたるものはV A Tといい
(VAT= Value Added Tax)
付加価値税になる。
その率、現在20%だ。

20%なんて!
生活の苦しい人にはたまらない…
と思われる方もいるかもしれないが、
これがきちんと暮らしていける付加価値税。

一般的な食料品は0%、
子供服や本も0%。
医薬品も0%。
家庭用燃料及び電力は5%。

一応、低所得者にも優しい仕組みとなっている。
しかし興味深いのは、ここからだ。

例えばその1、お菓子。
食料品であるにもかかわらず
チョコレートなど一般的なお菓子は贅沢品と見なされ課税対象。
しかし「大衆的な食べ物」とされるビスケットやケーキは0%。
その2、紅茶や珈琲。
カフェや所謂スタバなどでは、店内飲食と持ち帰りにかかる税率が異なる。
その3、惣菜。
国民食?のFish&Chipsは持ち帰りでも課税されるが、
ショップで売られている惣菜は0%。
キーワードは「温度」。気温以下なら軽減対象らしい。
その4、書店にて。
書籍は0%であるものの
売られているカード(クリスマスカードなど)は課税対象。

ちなみにお菓子のビスケットで補足すると、
チョコレートがついていれば課税され、ついていないと0%となる。
一方で、ケーキにチョコレートがついていても0%のままだとか。

贅沢品か生活必需品か、というところでの線引きらしいが、
いまいち不可解な部分も多い。
税率を決める会議というものが見られるものならぜひ見てみたい。
それでも私は、なぜか一律の消費税より付加価値税の方が好ましく思えるのだ。

多くの税金を払っている分、保健その他で“見返り”をもらっているので
イギリス国民は割と素直に、この税率を受け入れている気がする。

そのかわりに、自分たちが払った税金の行く先には目を光らせている。
年度の各種予算にさかれる経済ニュースの割合は相当なもので、
国民も細かくそれをチェックする。
その時期になると、私の知り合いは
「今日はニュースを見ないといけないから」と言って
1日の予定を、予算のあり方チェックにあてたりする。

もちろん日本でも予算を丁寧に見ている方もいるだろう。
でも「わかりづらい」し「どうせ…だから」という感じで
熱心でない人が多いのも事実だと思う。

かくいう私も経済ネタは苦手この上ないのだが、
日本に帰ったら少しは真面目に予算とか見てみるかなあ。

と、税金たちに想いをはせつつ、店内で飲む珈琲の味は
まあ、至って普通の珈琲だった。



そうそう。
最近、紅茶の国イギリスでも珈琲ブーム到来だとか。

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