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- ▼-“節電”は過剰だった? [編集委員] (2011/09/09 13:39)
- ├ストレステスト [島田陽一(仮名)] (09/10 01:34)
[1463] “節電”は過剰だった?
- 投稿者
- 編集委員
- 投稿日
- 2011/09/09 13:39
政府が東京電力管内に発動した「電力使用制限令」が、
きょう、9日をもって解除される。
原発事故によってひきおこされた電力不足。
猛暑のなか、エアコンの温度を下げたり、ネオンを暗くしたり、サマータイムの導入に輪番休業…
企業も家庭も、節電の努力に追われた夏だった。
そんな努力もあり、フタをあけてみると、
電力の需要が供給力を超えることはなく、
9割に達したのも1日のみ。
毎日発表される、東電の最大電力予測は、
大きく見積もられていることも多かったようだ。
きょうをもって電力制限は解除されるものの、
電力不足の状況は変わらず、
さらに原発のストレステストもあり、
この冬もますますの「節電」を迫られることになるだろう。
さて、みなさんは、この夏を乗り切り、「節電」の意識は変わりましたか?
「これまで電気を使いすぎていた」、
「この夏の節電は過剰だった」、
「経済面での代償が大きかった」・・・など
みなさんのご意見は?
[1464] ストレステスト
- 投稿者
- 島田陽一(仮名)
- 投稿日
- 09/10 01:34
このたびの大震災および原発事故を通じて、私たちは普段は耳にしない用語に触れる機会が増えました。「ストレステスト」という言葉も恐らくその一つであろうと思われます。
この言葉は、金融機関で働いている方にとってはそれ程新しい言葉ではありません。銀行等の金融機関は過去の統計に基づいて引当金や自己資本などでリスクに備えているわけですが、現実はしばしばこちらが想定している以上の、すなわち「想定外」の動きをするものでありまして、このような過負荷がかかった時にどういった挙動を示すのか、そういったことを確認するのが「ストレステスト」であります。
今回の節電というのも、東日本に住んでいる人たちにとってはある種の「ストレステスト」であります。しかも通常のストレステストはシミュレーションとして行われるものでありますが、今回の節電は現実であります。
電気というエネルギーは大変使い勝手の良いエネルギーでありまして、電線さえつながっていれば瞬時に使えますし、ガスや石油など他のエネルギーよりも制御が容易です。また、進展の著しいITとの親和性も非常に高いということでメリットばかりが目立ちます。では、デメリットはないのかというとそんなことはありません。
一番いけないところは何かというと、この便利さが災いして使いすぎてしまうことでありまして、われわれはよく「湯水のように使う」という言葉を使いますが、現代においては「電気のように使う」と言い換えた方が良いのではないかと思うくらい、電気を消費しております。
そう考えますと、今回の節電騒動は「電力の有限性」を気づかせてくれたという点において良い教訓になったのではないかと思われます。我々は制約を課されると不平や不満を口にしがちですが、そもそも無制限に使えるものなどこの世の中には無いわけでありまして、今回の原発事故が無くても、いずれはこういった事態が起こり得ることも覚悟しておく必要があっただろうと思われます。
最近、私たちの国はしばしば自信を喪失するようなことばかりが報じられておりますが、今回の節電を乗り切ったというのは実は相当誇れることなのではないかと思っております。