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[1011] 国家とは? 機密とは?
- 投稿者
- 島田陽一(仮名)
- 投稿日
- 12/19 00:10
「個人情報保護法」が施行されてから、もう5年ほど経つようです。
この法律ができるまでは、全く身に覚えのない会社からDMや勧誘の電話が来ても、対処のしようがありませんでしたが、この法律が出来てからは「多少規制が強すぎるのではないか」と感じることも、ビジネスの世界を中心に出てくるようになりました。
個人情報保護の主たる思想は「個人情報の所有者はその個人であり、情報の取り扱いについては所有者の意志に従う必要がある」ということであります。
ウィキリークスや尖閣ビデオ流出問題で「国家機密」について改めて考えさせることが続いております。
「国家というものは、主権者の国民のものであり、いわゆる機密情報などについても所有者は国民である」とする立場からすると、国家が機密として管理している間はともかく、一旦どこからか流出してしまえば、もはやその情報に対する責任は生じないという考え方になります。
一方で、「国家といえども独立した人格を認めるべきで、その情報は何らかの保護の対象となるべきである」という立場からすると、国家機密も個人情報と同じような取り扱いが必要になりそうであります。例えばネットに載せた時点で刑事事件になったりといった具合です。
この手の話はいつも「どこで線を引くか」や「運用によっては国家による情報統制の強化になる」などの話が出てまいります。
例えば流出した尖閣ビデオについては、「機密映像である」ということが外見上は全く判断できない状態のものです。それを後から「あれは機密だった」と言われて、ネット上にコピーを載せた人まで刑事訴追される可能性も出てまいります。機密文書には「Confidential」と書いてありますが、映像にも同様の対応が必要だったと思われます。
こういったことを考えますと、日本にしろアメリカにしろ機密だと言っている割には情報管理が杜撰であったことは否めないわけでして、まずは自省をし管理上の対策を行ってほしいと思います。
拙速な議論で法改正をするのだけは避けていただきたいと思います。