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[1029] 自由の気風
- 投稿者
- 島田陽一(仮名)
- 投稿日
- 01/06 01:41
NEWS23で「異論反論OBJECTION」というコーナーがありました。
街ゆく人たちにマイクを向け、その時々で話題になっているテーマについて意見を聞くというものです。
マイクを向けられた人たちは、「自由に」意見を述べるわけですが、しばしば「どこかで誰かが言っていた意見と全く同じだなあ」と感じるものが多数ありました。
筑紫さんは、「自由の気風」を大事にしていたわけですが、「自由」ってなんだろうかと考えると奥が深い。
つまり、自分なりに自由に思考を巡らせて意見を述べるなら良いのですが、私たちが発言することの多くは「他人の受け売り」であることが多いと思います。
「自由に考えなさい」と言われると、途端に著名な誰かが言っていた発言を記憶の中から探し始める自分がいる。
「自由に考える」ためには、凡人たる我々は座標軸を必要とするわけです。筑紫さんはNEWS23の中で「自由に」考えるための素材を提供してくれていたんだなあと改めて感じる今日この頃です。
もう20年前になりますが、私の通っていた大学に筑紫さんが講演にみえたことがありました。話の内容は殆ど忘れたのですが、覚えているのは質疑応答の時間に短時間で講演の内容をおさらいしながら「こうやって時間を稼いでいる間に質問を考えなさい」と言われたことです。今思うと「私の仕事は材料を提供すること。考えるのはあなたたちの仕事」というスタンスは徹底しているように感じます。
「考えろ」というテレビ番組が今どれだけあるか。最近ますます喪失感が強くなっています。