日刊争論

「日刊争論」では
日々のニュースに対する「ご意見」を募集しています
WEB多事争論編集委員が立てたトピックに、 あなたの「異論」「反論」、お待ちしています

[1202] Re:震災報道

投稿者
島田陽一(仮名)
投稿日
03/18 20:01

 Youtubeには、著作権上問題のある映像もたくさんあるとは思いますが、地震報道に関する各局の違いが見ることが出来て興味深いと感じております。フジテレビは菅首相の会見中にスタジオでの不謹慎な会話が電波に乗ってしまい、失態を演じたようであります。

 金平氏の「変えてはいけないもの」でNHKの民放化を嘆く記述がありました。しかしながら、やはり災害報道に関するNHKの使命感やプロ意識は一線を画したものがあると今回改めて感じております。むしろ気になったのは民放のさらなる「民放化」であります。
 おそらく、今の民放のスタッフは、優秀といわれる人ほど「視聴率の値踏み」が出来るのではないかと思います。
 「今のこのシーンは10%かな」「あ、今チャンネルを変えられた」といったような感じです。
 冒頭のフジテレビの件ですが、菅首相の会見では簡単にいうと「数字が取れないのに時間を使うな」という本音が出てしまったのだろうと勝手に推測しております。1秒で百万円とかそんな世界でたたかっている彼らですから、習い性はそう簡単には変わらないのだろうと感じた次第です。
 ただし、こういった視聴率への「過剰適応」が民放の震災報道をあざとくしている原因だろうと思っています。
 震災直後に投機筋のせいで市場は大混乱しました。人の不幸でもなんでも金にかえようとする彼らの強欲さに改めて嫌悪感を覚えましたが、視聴率に踊らされる民放も実は似たようなものかもしれません。「民放」と一括りにされると、他局は迷惑かも知れませんが。
 過去に湾岸戦争で民放が特番一色の時に、テレ東が通常番組の「ムーミン」を放映して、別の意味で称賛されていましたが、思い切ってニュース番組以外での報道はしないと割り切るのも一つの考えだろうと思います。

 筑紫さんは「生存視聴率」という考えを掲げていたようで、視聴者につかず離れずという姿勢を持っていました。最初から視聴率を追い求めるのではなく、視聴率を事後のチェックに使うというスタンスだろうと思います。NEWS23は、視聴率的にはそれ程素晴らしい番組ではありませんでしたが、比較的優良といわれるスポンサーを安定的に確保し18年間も続きました。
 現場に頻繁に足を運びながらも、現場の雰囲気に流されない。テレビ的な演出も容認しながらも、自分の良心には背かない。歴史的・文化的な背景を意識しながら、目の前で起きている事象を「これは一体何なのか?」と一歩引いたところから丁寧に取り上げる。
 こういった「大人の余裕」は今の民放ではなかなか感じられない雰囲気であります。

投稿する

 
投稿フォーム [引用付の返信をする] ※コメント投稿のお願いを必ず参照して下さい 
あなたのお名前 *
題名 *
ご発言本文
※いただいた投稿はすぐには反映されません。上記「コメント投稿のお願い」をご参照ください。