[106] Re:事業仕分けと、政治記者の懺悔
- 投稿者
- 民放記者 米田浩一郎
- 投稿日
- 12/08 16:59
事業仕分け、各社の世論調査をみても8割ほどの人が支持しています。
多くの人たちが、生活の端々で「税金の無駄づかい」を実感していた表れだと
改めて感じる次第です。
>世界哲宏さん
汗水流して働き、税を払い、家族のため・他人のため・国のためと思いなが
ら働いているにも関わらず、払われた税は医療費や教育費などのあるべきと
ころにいくどころか濁った水の中に消え、いつの間にか欲深き人々を太らせ
ている。
民主党も自民党も違う党であるとは思っておりません。違うのは新しいが故
の動きやすさだけ。
まったくその通りで、私はこの国の公共部門でのオカネの遣われ方というのは、
構造的に是正不能なのではないかと思っていました。というのも、私は10年程
前から「税金無駄遣い」をテーマにした番組をかなりの本数作りましたが、そ
の中で、およそ誰もが呆れるような箱ものだとか、いま話題になっているいく
つかのダムも取り上げてきました。おそらくいまの世論調査同様、多くの人が
「これはおかしい」と思うものを指摘したつもりですが、事態が改善される兆
しは殆どありませんでした。しかし、ご指摘のとおり、政権交代の効用は、こ
こでは大きく作用したと思います。問題はそこから先ですね。
>meditoさん
単純極まりない勧善懲悪の茶番に国民が熱狂してしまうことです。官僚=無
駄遣い、贅沢三昧、恩知らず、というステレオタイプなイメージが広がり、
一人歩きし、わかりやすい勧善懲悪の、仕分け人が官僚をやりこめるという
図式に国民が熱狂して・・・
たしかに、別に官僚だけがぼろ儲けし、太った訳ではないのだと思います。お
役人の天下りだけが無駄の温床という訳ではなくて、彼らは官僚機構に連なる
無数の団体、企業、そうした場所の巣くう人たちに甘い蜜をとどける配分係の
ような存在に思えます。「仕分け」に向かう関心が、一時的な「役人叩き」に
終わってしまい、そのような構造そのものが形をかえて残存するならば、あい
かわらず私たちの税金は「濁った水のなかに消え」、本当に必要としている人
たちには届かない、ということになるのではないでしょうか。
>くらりんのぶこさん
事業仕分けは、今年だけでなく、継続してもらいたいと思いました。
本来、きちんとした予算編成が行われているのなら、「事業仕分け」など不要
な筈です。今年についていえば、前政権の仕事を再検証する、という意味あい
が大きかったと思いますが、鳩山首相は来年も継続する意向を示していますね。
政府みずから編成する予算を、政府みずから任じた仕分け人によって再度査定
する。奇妙といえば奇妙な話ですが、長年の一党支配のなかで根深く蝕まれた
既存の政府組織は、いまなお信頼に足らないということあり、国民の側にも、
今後も自分たちの目の届く場所で税金の使い道は決めて欲しい、という思いが
強くあるのでしょう。
今回の「事業仕分け」のような手続きを、民意を参照しつつ予算編成を行うた
めの新しいプロセスと考えてゆくならば、人選や方法論などについてさらに深
い議論をしたいところです。