[99] 「過熱」のあと
- 投稿者
- 記者 池田誠
- 投稿日
- 11/20 16:22
懲役1年6ヶ月 執行猶予3年・・・。
これが、今月9日(午前)にあった、
マスコミ各社が「過熱」した
元女優・酒井法子被告の判決であることは、
かなり多くの人が知っているのではないかと思います。
では。
懲役9年・・・。
これは何の判決かというと
同じ9日(午後)に東京地裁であった、
裁判員裁判の判決です。
今年5月に始まった裁判員制度。
10月末時点で、
全国で834件の裁判員対象事件が起訴されています。
制度が始まった当初ほど
大きく報道されることも無くなっていますが、
一方で、
これまで模擬裁判すら一度も行われていない「死刑か否か」を、
裁判員が判断しなければならない時は、
刻一刻と迫っています。
千葉法務大臣は、
「死刑に関する情報を開示することで
国民的議論をする必要がある」との認識を示していますが、
具体的に議論のきっかけとなるような情報の開示は、
まだ何もありません。
ほとんど何の情報も与えられていない中で、
裁判員は死刑か否かを判断できるのでしょうか?
限られた時間の中で、
死刑を多数決で決めて良いのでしょうか?
さまざまな疑問が残ったまま、
「市民感覚」に責任を押しつけるような事があってはならないと思います。
私は、
「過熱」のあとの、
異様な静寂に包まれている裁判員裁判を傍聴しながら、
多くの人が目を背けがちな「死刑」について
「熱」を持って国民が議論するために
早急な情報開示が必要だと改めて感じました。