藤原さんの「参議院選挙を前に」への意見 その二
- 投稿者
- 長文
- 投稿日
- 2010/07/11
前回のインタビュー「政権交代は、私たちに何をもたらすのか(Ⅰ)(II)(III)」と合わせて読むと
更に色々な見方が出来るように思います。
前回のインタビューでは民主党の個別の政策についてそれぞれ触れ、
如何に民主党政権が政策を重要視しているか、可能性があるかを語っていらっしゃって
その上で、「ダメな部分も出てくるが、改革路線の中身を見ていこう」
という結論になっているとおもいます。
しかし、今回は民主党の具体的な改革がどうなったか、
これからどうなっていくのかはほとんど触れていらっしゃいません。
(藤原さんが必要だという政策については触れられていますが。)
「これからの可能性」を語るのに、
「今までの民主党政権が具体的にどう成果を出したか」という論がほとんどない。
これでは答えになりません。上で述べた不満とはこれのことです。
勿論選挙前という理由で、語る内容が前回とは違ってくるとは思いますが、
それにしても「過半数維持が絶対必要」と主張されていることと
整合性が取れているようには思えないんですよね。
前回は『可能性がある→だから可能性をみていこう』ということだったのに
今回は可能性があるかないかは曖昧にボカしたまま、
『可能性を見ていくために→単独過半数が必要だ』と
手段と目的が逆転しているように見えるのです。
可能性を期待できるからこそ可能性を見ていくわけで、
一年政権を運営して可能性を期待できなくなっている状態で
どこの「可能性」を見るのでしょうか?
その部分を私は聞きたかったのです。
前回の藤原さんの論でも思ったことですが、
藤原さんの中で「民主党そのもの」はどういう存在か、というのが見えないんですよね。
「政権交代を成し遂げた存在」であれば
別に民主党でなくても成り立つ議論をしているように思えるのです。
今回も「単独過半数を維持し安定した与党」が絶対必要だというご意見は分かるのですが、
それが民主党でなければいけないということと繋がるようには見えない。
もし、自民党政権が続いていれば同じことを仰ったんでしょうか。
そうなると「何の為の政権交代なのか?」が分からなくなってしまうように思うのです。
特に「仮に単独過半数を取れれば次の衆参両選挙でも有利になる」というご意見からは
『次の政権交代』が見えないんですよね。
政治の安定の為には参議院とのネジレは望ましくなく、
少数政党に左右されない為にも単独過半数であるべきだ、というご意見は分かります。
分かりますが、だからと言ってその理由の為だけに
有権者に譲歩しろというのは違うのではないでしょうか。
参議院のあり方を見直してネジレのないような状況を作るというご意見であれば賛成できるのです。
しかし、個別の選挙でネジレがあってはいけないから単独過半数であるべきというのは、
自民党政権をダラダラと続けた状況を是認するかのような意見にも見えなくはない。
制度に問題があるのではあれば、制度自体を変えるべきだと私は思います。
ここまでグチグチと申し上げてきましたが、
選挙前のインタビューというのはかなり辛いお立場であるとも理解しています。
ですから、言えないこともあったでしょうし、言いにくいこともあったのではないでしょうか。
出来れば、選挙後(今書いている段階で既に選挙後ですが)に
改めて今後どうなるのか、どう見ていけばいいのかの藤原さんの論を見てみたいです。
長文失礼いたしました。