筑紫哲也氏の歩み

年代 出来事 年代 出来事
1935. 6.23
(昭和10年)
大分県日田市に生まれる    
  1936.2.26 2・26事件
7.17 スペイン内戦始まる
12. 5 ソ連で新憲法(「スターリン憲法」)採択
1937. 7.7 盧溝橋事件(日中戦争開始)
1938. 4.1 国家総動員法の公布
1939. 9.1 独がポーランド侵攻(第2次世界大戦開始)
1941.12.8 真珠湾攻撃(アジア太平洋戦争開始)
1945. 3.9 東京大空襲
4.1 米軍が沖縄本島に上陸
8.6 広島に原爆投下
10歳で終戦を迎える 8.15 「玉音放送」(大戦終結)
1946.11.3 日本国憲法の公布
1955. 4 早稲田大学政経学部に入学 1955.11.15 自由民主党結成(保守合同)
1959. 4 早大を卒業朝日新聞社に入社 1959. 1.1 キューバ革命
宇都宮支局に配属 4.1 皇太子の結婚パレード
盛岡支局に異動
1963.11.22 ケネディ米大統領暗殺
東京本社・政治部に異動 1964.10.10 東京オリンピック
1968~70 米軍統治下の沖縄特派員 1970. 3.14 大阪万博が開催
1971. 6.17 沖縄返還協定に調印
1971~74 ワシントン特派員 1972. 6.17 ウォーターゲート事件発覚
9.25 日中国交樹立
1976. 7.27 ロッキード事件で田中角栄前首相を逮捕
1978. 4~ 『こちらデスク』(テレ朝)
1979.12.27 ソ連がアフガニスタン侵攻
1984~87 「朝日ジャーナル」副編集長~編集長
1985. 8.12 日航機が御巣鷹山に墜落
1987. 4~ 編集部外報部次長 9.22 プラザ合意(ドル高修正)
1989. 7~ ニューヨーク駐在編集委員 1988.12.24  消費税法案が成立
(平成元年)   1989. 1.7 裕仁天皇没 平成と改元
1989.10.7 朝日新聞を退社 1989. 6.3 天安門事件
1989.10.2

『筑紫哲也ニュース23』開始

~サブキャスター浜尾朱美・池田裕行

テーマ曲・井上陽水*注1)

1989.11.9 ベルリンの壁撤去
1990. 2.14 ローリング・ストーンズ来日
1990.10.1 株価2万円割る(バブル経済崩壊)
1991. 1.17 湾岸戦争開始
5.15 「ジュリアナ東京」オープン
5.19 長崎普賢岳で大火砕流発生
12.26 ソ連最高会議「ソ連邦消滅」を宣言
1992.10.5 「多事争論」初回 *注2)  1992. 9.30 日本最初のHP公開
1993. 1 年間テーマ「乱」 1993. 8.9 細川護煕・非自民連立内閣
1994~ 自由の森大学(大分)の学長 1994. 6.27 松本サリン事件
6.29 自民・社会・さきがけの連立政権樹立(村山首相)
筑紫キャスター現地取材 1995. 1.17 阪神淡路大震災
3.2 地下鉄サリン事件
1996. 9.28 民主党結成
1997.9 N23 全面リニューアル~サブキャスターに草野満代・佐古忠彦 テーマ曲)坂本龍一 *注3)  1997.12.1 京都議定書を採択
1998~ 県立長崎シーボルト大学で非常勤講師 1998. 5.2 単一通貨ユーロ統合決定
7.25 和歌山カレー毒物混入事件
1998.11.9 クリントン・米大統領THM
1999. 5.24 新ガイドライン3法が成立
2000.4.1

介護保険制度スタート

携帯電話数が固定電話抜く

2000.10.14 朱鎔基・中国首相THM 11.7 米大統領選でブッシュ勝利
2001.4.26 小泉純一郎内閣が成立
N23 シリーズ「世界が変わった日」 9.11 米同時多発テロ
10.7 米がアフガニスタン空爆
2002. 5.31 日韓共催サッカーWC
2002. 8.15 N23 8.15SP「幸福論/戦争論」 9.17 小泉首相が初の訪朝
2003. 5 N23 SPウィーク「GO SLOW!」 2003. 3.20 イラク戦争開始
早稲田大学大学院公共経営研究科教授 6.6 有事関連3法が成立
6.8 盧武ヒョン・韓国大統領THM
2004.10.28 新潟中越地震
2005. 4.25 JR福知山線脱線事故
9.11 第44回衆院選(「郵政解散」)
2006.4~ 立命館大学国際関係学部客員教授 2006. 3.20 WBC日本が初代王者に
9.25 N23 全面リニューアル ~サブキャスターに膳場貴子山本モナ 9.26 安倍晋三内閣が発足
    12.3 フセイン元大統領死刑執行
2007. 1 年間テーマ「破」
シリーズ「地球破壊」
アル・ゴア米元米副大統領THM
2007. 5.14 番組でがんを告知
6.23 「残日録」を書き始める 選挙特番に音声出演 *注4)
2007.7 参議院選挙で自民大敗
9.12    福田康夫内閣が発足
2008. 3.29 最後のN23~多事争論 『変わらぬもの』
   4~ 後藤謙次・膳場貴子・三澤肇に
4.21 李明博・韓国大統領THM
5.23 日本記者クラブ賞授賞*注5)
2008. 5.17 立命館大で「明日への伝言」
スタート
1)鶴見俊輔さん
2)中坊公平さん
3)梅原猛さん
2008. 7.7 梅原さんと対談後、鹿児島へ
8.1 「WEB多事争論」発刊 *注6)
2008. 8.8 北京オリンピック
9.1 福田首相が突然辞任
9.24 麻生太郎内閣が発足
10.27 鹿児島から帰京   リーマン・ブラザース破綻
11.7 東京で永眠(73歳) 2008.11 オバマ氏が次期米大統領に
2009.1~ イスラエルがガザ地区攻撃
1.2 オバマ大統領就任
注1)
井上陽水のテーマ曲
▼番組冒頭の曲とエンディング曲『最後のニュース』(1番は以下の通り)
 闇に沈む裏の顔を暴き 青い砂や石をどこへ運び去ったの
 忘れられぬ人が銃で撃たれ倒れ みんな泣いたあとで誰を忘れ去ったの
 飛行船が赤く空に燃え上がって のどかだった空はあれが最後だったの
 地球上に人があふれだして 海の先の先へこぼれ落ちてしまうの
 今 あなたにGood-Night  ただ あなたにGood-Bye
注2)
「多事争論」初回
 新しいコラムといいますか、テレビ・コラム欄を設けました。この欄は何でもありです。あらゆるテーマに挑戦するコーナーです。
 まず最初に「多事争論」という言葉の意味の説明からはじめます。この言葉は一万円札の顔である福沢諭吉の代表作『文明論之概略』という本の中で出てくる考え方です。
一言で言うならば、たった一つの説は、それがいかに正しくても、それが一つであるがゆえに自由な気風を生まない、いろんな人間のたくさんの意見を論じ合うほうがいい、という考え方です。
この「多事争論」が、今ほど必要な時はないんじゃないかと、金丸問題を考えながら改めて思いました。今、永田町の巷では三木武夫の不在という事が、しばしば雑談の中に出てきます。三木武夫という政治家は、田中金脈問題で金丸さんの親分にあたる田中角栄に対して、内閣を飛び出して敢然と批判をした人物です。
 そもそも今回の政治的なスキャンダルは、田中金脈からロッキード、リクルート、共和問題、そして佐川急便問題へと、どんどん質が悪くなっておりますけれども、昔は同じ自民党の中にあっても、そういう「多事争論」と言いますか意見の相違があったのに、今やそういう違いが聞かれないという事が目立ちます。スキャンダルの中身と同時に、「多事争論」のないことが大きな問題ではないかと思います。
▼『文明論之概略』より
 単一の説を守れば、其の性質は仮令ひ純精善良なるも、之に由て決して自由の気を生ず可からず。自由の気風は唯多事争論の間に在りて存するものと知る可し。
注3)
坂本龍一のテーマ曲
『Put Your Hands Up』(オープニングとエンディングで違うVer.)
注4)
2007年7月にJNNの参院選開票特番に声だけで出演し、安倍首相に「選挙で答えが出たにもかかわらず続投するとなると、国民の審判はどういう意味をなすのか」と直言。
注5)
2008年度日本記者クラブ賞を授賞
 日本記者クラブ(社団法人・滝鼻卓雄理事長=東京・内幸町)は4月24日の理事会で、2008年度の日本記者クラブ賞を、TBS報道局キャスターの筑紫哲也氏(当時72)に授賞することを決めた。
 1989年スタートのTBS系列「筑紫哲也ニュース23」のメーンキャスターとしての18年余の活動実績が、わが国のテレビジャーナリズムの確立に多大貢献をしたとして評価された。
 朝日新聞記者として30年で培ったジャーナリスト魂と豊富な取材体験を糧に、時流や大勢に流されない安定した報道スタイルで内外の動きを的確に伝え、幅広い視聴者、ニュース源の信頼を得た。
 鋭いニュース感覚と的確なアジェンダ・セッティングだけでなく、文化活動の発掘・紹介などテレビならではの可能性にも挑戦し、民放テレビ報道の社会的役割の向上にも資した。(プレス・リリースより)
注6)
「WEB多事争論」(http://www.taji-so.com/)
【サイトマニフェスト】
筑紫哲也氏は自らが目指したニュースのあるべき姿を次のように語った。
「力の強い者、権力に対する監視の役を果たし」
「ひとつの方向に流れやすいこの国の中で、少数派であることを恐れず」
「多様な意見や立場を登場させることで、社会に自由な気風を保つ」
  (「多事争論」2008年3月31日『変わらないもの』より) 
「WEB多事争論」は、この言葉に示された理念に共鳴する人たちによって、新たに立ち上げられたウェブサイトである。(2008年8月1日発刊)
さまざまな立場からの情報の発信、問題提起を通じて、「論を愉しむ」人々の輪を広げてゆきたいと願っている。
「WEB多事争論」編集委員会
賛同人:姜尚中、藤原帰一