おすそわけ

しらほ

名も無きTVディレクター。「座標軸」を探す日々。

大阪W選挙で・・・

2011/11/28

武道家で、思想家の内田樹さんが、
ツイッターに大阪の選挙のことについても触れながら、
こう書かれていました。

一部抜粋すると・・・
==
神経症的にものを壊し、効率を上げ、費用対効果を追い求めている状態が
「閉塞感がなくて、幸福だ」というふうに感じるのは
やはり一種の「時代の病」だと思うのです。
政策の適切性を吟味することよりも政策実現までの速度を優先させるのは、
政治についてのかかわりかたとして、あきらかに「病的」です。
「早く」という言葉は思考の深化にとって最大の障害です。
けれども、現代日本人は思考を深めることより、変化の速度を選好します。

判断を急ぐことによって適切さが増すということは
原理的にも経験的にもありません。
でも、「とにかく変化を」と強く要請する制度はたしかに存在します。市場です。市場は人々の嗜好の変化、欲望の変化、
毀誉褒貶のジェットコースター的変遷から利益を得るように
構造化されているからです。

今回の選挙結果を僕は
「市場が政治を呑み込みつつある」過程としてとらえています。
行政、司法、医療、教育は
「政治と市場が介入してはならない」制度資本領域だということを
これまで書いてきましたが、
それを政治という大蛇が呑み込み、
それを市場というさらに巨大な蛇が呑み込もうとしている。・・・

経済的な停滞というのは、
メディアがヒステリックに語るような退嬰的な現象であるのではなく、
「市場への抵抗」のあらわれではないかという気がします。
モノは要らない。消費にも欲望を感じない。神経症的な経済競争にも興味がない。自然と調和した穏やかな暮らしがしたい。
そういう人たちが
バブルのときのような狂騒的な消費活動がまた始まることにうんざりして、
ささやかな抵抗を試みている。
その結果としての「いわゆる」経済活動が停滞している。
その一方で、
GDPではとらえられないかたちでの贈与や互酬のシステムは
ゆっくり形成され始めている。僕にはそんな感じがします。

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全文はこちらから。
ブログの「『百年目』のトリクルダウン」もおすすめです。

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