筑紫・鳥越 往復レター

2008.8.29 筑紫哲也→鳥越俊太郎

鳥越 俊太郎 様

お元気ですか。 この前の会(6月23日)では、『真情あふれるアジテーション』をありがとうございました。

時代遅れといわれるかもしれないけれども、私も鳥越さん同様、『TBSのDNA』をいまだに信じているところがありますので、まだ希望は失っていません。 これは『報道のTBS』だけの問題ではなく、『TVジャーナリズム全般』のテーマだろうと思います。これからもいろんな形で、『論を愉しむ』を一緒に繰り広げられたらと思います。

鳥越さんは、これまでに、私と県境を隔てた同郷出身(福岡と大分)・新聞・雑誌・テレビで私が先輩であるのをぼやき続けていますが、ひとつだけ鳥越さんが先輩であることがあります。

『がん』です。

この共通のテーマ、いや日本人にとって大きなテーマについて、いずれいろんな形で話あいたいと思ってきましたが、まず、私たちの国のがんに対する闘いの中で、何が最も足りない、あるいは誤っていると思いますか。

すごく大きなテーマなので、簡単に答えがあるわけではありませんが、現在、患者である自身にとっては、あらゆる意味で、がんとの取り組みがバラバラになっていることを痛感しています。まず、日本のがん治療に対するご意見を伺います。

筑紫哲也