新・明日への伝言

この国のガン

飛田 美樹(一期生)

私は今、意識やココロについてのコースを教えている。
世界71カ国で行われている、アバターコースというアメリカの心理プログラムだ。

争いは「自分は正しい」「〜は間違っている」というところから生まれる。日本は表立っては、もう戦争をしてはいないけれど、蓋を開けてみれば。私たちの意識やココロは、未だ戦時が続いていたりする。

私はパレスチナに行っていたことがある。今も現地では、たくさんの殺戮が行われている。日本でも、ニュースを見ていると「なんでこんなことが?」って思うようなことが、よく起こっているように見える。

そんな時。自分とは違うものとして、出来事を見るのだけは避けなきゃなと思う。依然まで私は「なんでこんなむごいことを」という視点から、ニュースを見ることが少なくなかった。自分は「正しい」というところに立って、何かを非難することで、あたかも自分が正義であるかのように感じていた。

今、このレポートの中で、「この国のガン」と称して、何かのウンチクをたれるのは簡単なことかもしれない。でも、つくづく思うのは、私たちの意識から、たくさんの事件や戦争は生まれていて、私たちが全てを創り出している、ってこと。
私たちが無意識において、誰かを嫌ったり責めたり、非難する気持ち。不信感。無責任。それが、集合的な現実となって、世界のどこかで、「ガン」を創り出す。
この国にガンが存在するなら、それは私たち一人ひとりに「ガン」が存在しているということ。

許す、ということ。手放す、ということ。被害者、加害者を越える「源」の視点を取り戻すこと。この惑星を、より良いものにして未来に返すという決意。それが、私たち一人ひとりの「ガン」を克服するための方法であるように思う。

無意識も含めて、自分の‘意識’のパワフルさを知ってくれる人が、日本にもっと増えてほしいと願う。私たちのパワフルな意識というものの、慈しみに満ちた賢明な使い方を、知ってくれる人が、もっと増えていきますように。

私たちの意識は大量殺戮兵器を創った。戦争を創った。じゃあ私たちは今ここから、どんな意識の使い方をしていくのか。どんな現実を創っていくのか。 答えは私たち一人ひとりの内側にある。