
「幸せはシャンソニア劇場から」
2009/09/26
第2次大戦直前の1936年。パリの下町にあるシャンソニア劇場は不況の嵐をまともに受け、悪徳不動産屋にのっとられてしまいます。出演者も従業員も全員解雇。35年も舞台の裏方として働いていたピゴワル(ジェラール・ジュニョー)も失業の身となってしまいます。その上子供を養う能力なしと警察に判断され、息子まで失ってしまいます。人生のどん底に落ちたピゴワルは仲間と共にシャンソニア劇場を再建しようと計画するのですが…。
舞台となる劇場での出し物は歌あり、コンとあり、ダンスありと盛りだくさんです。実はこのような劇場はパリに数多くあり、庶民の憩いの場となっているのです。田舎芝居と言って小ばかにするパリジャンもいないわけではないのですけどね。オペラ座はちょっと高尚ですが、このような劇場は子供と一緒に行っても楽しめます。出し物の中には政治家をからかったりするコントもあり、大笑いした覚えもあります。劇場からメジャーになった芸人さんも多く存在していました。親しみのある、そんな劇場の再建ドラマがフランスで大ヒットしたのもわかる気がします。
また劇場の近所にあるカフェの窓に本日のお勧め料理が書かれているのですが、それが当時の世相を繁栄しているのもフランスっぽいです。今なら<政権交代風エスカルゴ>とかね。そういうエスプリが理屈こねたら世界一のフランス人ぽいでしょ?
劇中のオペレッタ風寸劇も彼らの衣装もなにもかも、楽しさに満ちています。連休どこにもいけないのよというアナタ、劇場でパリ散歩はいかがでしょうか?エッフェル塔のそばまで地上を走ることで有名はパリのメトロ6号線も出てきますよ!
小池由起
2009年9月5日よりシネスイッチ銀座、シネ・リーブル池袋ほか全国にて公開
映画「幸せはシャンソニア劇場から」 公式サイト
http://www.chansonia.jp/