
フィリップ、きみを愛してる!
2010/03/26
いや~春ですね。皆さんのところは桜の便りが届きましたか?東京ももうすぐでしょう。そして狂乱(?)の宴が全国各地で催されるのですよね。
今週紹介する作品は、そんなちょっと異常(?)な季節にぴったりかも。「フィリップ、きみを愛してる!」です。
スティーヴン(ジム・キャリー)は結婚して女の子が産まれ、ウルトラ平凡な日々を過ごしていました。しかし交通事故から奇跡的に助かったことによって彼は自分に正直に生きることを決意します。正直にとは、じぶんをさらけ出すこと。スティーヴンはゲイだったのです!家族を捨てて愛する男性とマイアミで暮らし始めたスティーヴンですが、ファッショナブルなゲイ生活には大金が必要なんです。資金が尽きたスティーヴンは、IQ169という天才頭脳を駆使して詐欺によってお金を作り出すのです。そんなお手軽な方法が長続きするわけもなく、スティーヴンは刑務所に収監されてしまいます。しかしそこでスティーヴンは優しい目をしたフィリップ(ユアン・マグレガー)に一目ぼれ。彼に近づくためにあらゆる手を尽くします。そして同房になった2人は愛し合うのです。またまた天才頭脳を使い晴れて2人は塀の外で一緒に暮らし始めます。超豪華な2人の生活。しかしそれを支えていたのはまたスティーヴンの詐欺。しばらくしてまた囲いの中へ舞い戻ったスティーヴンは、フィリップに会うため何度も脱獄を繰り返すのですが。
これが実話なんて、もう、驚きの連続です。フィリップに会うというただそれだけのためにとんでもない手を使って脱獄を繰り返すなんて「ありえない!」と思いませんか?愛する男女の間でもココまでは考えられないと思うのですが…。ゲイの愛はより純粋?なのでしょうか。
実はこの作品の中にはゲイが喜びそうな隠しネタがいっぱいあるそうです。残念ながら私には全くわかりませんでしたけど。でもそんなことをわからなくても十分楽しめるのでご心配なく。あまりゲイのカップルの行動を見たことがないのですべてが新鮮でした。そして驚いたのはユアン・マクレガー!なんとなく「スターウオーズ」の剣士のイメージしかなかったのですが、お目目キラキラさせてスティーヴンをみるところなんて、あまりのかわいらしさでこっちまで笑みが出てきてしまいます。ジム・キャリーが芸達者なのは周知の事実なんですが、ユアンもまけずに芸達者なのがよくわかりました。ただの2枚目俳優じゃなかったのですね。
ちょっと毒があって、ユーモアにあふれていてこれってハリウッド?と思っていたらやっぱりこの作品、英語しか出てこないフランス映画だったのです!さすが恋愛王国おフランス!もうこのジャンルはあの国におまかせしましょう!ワイン片手に見ても楽しいかも!
小池由起
映画『フィリップ、きみを愛してる!』公式HP http://iloveyou.asmik-ace.co.jp/
2010年3月13日より新宿ピカデリーほか全国にて公開中