ワンショット劇場

小さな命が叫ぶとき

2010/08/13

日本にとって8月は命の大切さを改めて考えさせられる時です。最近、子供をめぐる痛ましい事件も多く起きていますから余計そのように感じるのかもしれません。そんな気分にぴったりの作品を紹介します。「小さな命が叫ぶとき」です。

会社勤めのジョン(ブレンダン・フレーザー)は一見何も不自由していないように暮らしていました。しかし彼には大きな悩みがあったのです。3人の子供のうち2人がポンペ病という難病に犯されていたのです。この病気は今の医学では完治が困難で死を待つばかりと医者からも言われてしまいます。損なわが子を前に父ジョンは、大学でこの病気を専門に研究しているストーンヒル博士(ハリスン・フォード)に治療薬を作ってくれと頼みに行きます。資金を用意するため会社を立ち上げ、大手製薬会社に身売りするなど、経営者としての手腕を発揮するジョンでしたが、人との係わり合いを苦手とするストーンヒル博士との距離はなかなか縮まりません。子供の命を救うために必死になるジョン。やがてその姿を見たストーンヒル博士も本気で治療薬の研究に没頭し始めるのですが…。

命を守るために別の分野で必死に戦う2人の男を、フォードとフレーザーが熱演しています。よく考えればこの2人、どちらもアドベンチャームービーのヒーローでしたね。宇宙や遺跡で敵と戦っていたかっこいいヒーロー。年齢を重ねて、今回の敵は病気!そりゃ戦う姿が似合うはずです。最後まであきらめない2人の姿は<大人のヒーロー>そのものです!そして理想の父親像かも。

昨今のヒット作と違い、特写もカーアクションもドンパチもありません。映画の原点のような作品です。
難病モノってお涙頂戴風で苦手なのよね、と思っているあなた!これは難病モノというより「あきらめないオトナのオトコ」作品です。こういう人がいたらほれちゃうな~と絶対思うはずです!優しい心になれる作品です。

小池由起


映画『小さな命が叫ぶとき』公式HP
http://www.papa-okusuri.jp/

2010年7月24日(土)より
TOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー

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