ワンショット劇場

ローラーガールズ・ダイアリー

2010/06/04

次から次へと新しいモノが売り出され、映画の世界も3Dが席捲し、アナログな私はなんとなく寂しい思いをしている今日この頃です。しかしこの作品はなんだか昭和の香りがする逸品です。「ET」のスクリーム少女、ドリュー・バリモアの初監督作品「ローラーガールズ・ダイアリー」です。

ブリス(エレン・ページ)はテキサスの田舎町で暮らすちょっと不思議ちゃん女子高校生です。母のブルック(マーシア・ゲイ・ハーデン)の引いた人生の線路を進むのを拒み、その代わりにブリスの生きる元となったのはなんとローラーゲームだったのです。女性同士が競技場をパワフルに動き回るこの競技のとりことなったブリスは、親に内緒で試合に参加し、そこで仲間やライバルとの熱い絆に胸を躍らせていくのですが・・・。

少女の成長をスポーツや仲間、そして恋から描くというかなりストレートな作品ですが、女性監督ならではの、女性目線もあり、とってもチャーミングな作品に仕上がっていると思います。なによりも魅力的なのは主人公のブリスを演じたエレン・ページ。ちょっと不思議ちゃんのイメージそのままに、背伸びせず、たおやかに演じています。ライバル役のジュリエット・ルイスもいい味出しています。この方、大昔(って・・・)あのブラピと付き合っていたってご存知ですか?まあそれはどうでもいいとして。

ローラーゲームは日本でも一時期ものすごい人気があり、なんとテレビで放送されていたんです。東京ボンバースなるチームがあり、ヘルメットからおさげの髪を揺らしながら猛スピードで敵を倒すシーンにテレビの前で大騒ぎしたものです。1972年ごろの話で、そのころ女性がそんな過激なスポーツをするなんてあまり考えられなかったので、「かっこいい!」と思った少女が全国にいたはずです。作品のブリスも満たされない日常と、目の前で繰り広げられるスピード感満点のスポーツとのギャップに驚き、ローラーゲームにのめりこんでいったと思います。

流行の3Dでも近未来を舞台にしたわけでもないのに、惹かれてしまう、こういう作品がハリウッドにあり、芸達者が出演しているということに喜びを感じました。東京ボンバースを知っている人はもちろん、知らない人もぜひどうぞ!

小池由起


映画「ローラーガールズ・ダイアリー」
公式HP http://roller-girls.gaga.ne.jp/
2010年5月22日(土) TOHOシネマズ シャンテ他全国順次ロードショー

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