
『戦火の馬』(公開中)
2012/03/13
春がやってきそうで足踏みしているような日々ですね。先月末には映画の祭典、アカデミー賞の各賞も発表され映画業界は一段落、この次の大きな波は夏休みの公開作品でしょうか。今回紹介する作品は今年のアカデミー賞作品賞にノミネートされていたスピルバーグ監督作品『戦火の馬』です。
第一次世界大戦直前のイギリス。すらっとした一頭の馬がとある農家に連れられてきます。農家の一人息子アルバートは、人目で園馬を気に入り、一生懸命訓練します。ジョーイという名をもらったその馬はアルバートとともに成長し、耕地を耕すまでになります。しかしアルバートの家は借金だらけ。せっかく育てた作物が悪天候のためだめになり、借金を返すためにジョーイはイギリス軍に売られてしまいます。あまりに立派な馬なので騎兵隊の馬となったジョーイ。戦争開始と同時にジョーイの運命は放浪されていくのですが・・・。
戦争が激しくなるにつれ、ジョーイの飼い主がどんどん代わっていきます。何のつながりもないように見える飼い主たちですが、すべてつながっているのです。さすがスピルバーグ監督、そんな大河ドラマを糸も簡単につむいでしまうのですから、たいしたものです。
飼い主ごとの様々な見所もちゃんと作ってあり、納得感満点です。配給会社の方に聞いたところ、馬に関しては劇中ではほとんどCGを使用していないとのこと。う~ん、すごい!いろいろなエピソードがあるのですが、やっぱり一番は、ジョーイと英国軍兵士とドイツ軍兵士とのかかわり方です。とっても泣かせるんですよ。馬の前では人間は素直になれるといいますが、全くその通りの出来事で、きっと本当の戦場でも同じようなことがあったのかもしれません。
馬好きの人はもちろん、そうでない人も、温かい気持ちになれる作品です。外はまだ寒いので、作品に触れて温まってください!