
「私の中のあなた」
2009/10/23
今週は女性の存在感が圧倒的な作品「私の中のあなた」を紹介します。
弁護士のサラ(キャメロン・ディアス)と消防士のブライアン(ジェースン・パトリック)は2人の子供と幸せに暮らしていました。そんな暮らしが一変したのは女の子のケイト(ソフィア・ヴァジリーヴァ)が白血病を発症したことでした。親としてなんとかケイトを助けたいと願う2人に提案されたのは、遺伝子を操作した子供を作ることでした。そうして世の中に登場したのが次女のアナ(アビゲール・ブレスリン)。彼女は生まれたときから姉の治療に協力し、様々な手術を受けてきたのです。しかし11歳になったとき、アナはケイトの治療に協力することを拒否し、それを強制するとして両親を訴えたのです。アナの突然の行動は一体何が原因だったのでしょうか?ケイトの命は……。
母親が子供を思う気持ちが全面に押し出されている家族愛のお話です。キャメロンは、初の母親役とのことですが、ノーメイクで奮闘していました。いままでのコメディー路線を考えると「え?彼女が母親?」と思ったのですが、なかなかどうして、ちゃんと母親していました。それもとんでもなく娘思いの母を。
この作品、泣ける映画としてあちこちに紹介されています。たしかに白血病といえば涙ですよね、1970年代の大昔から。しかしこの作品で泣けるのは死と直面している可愛そうな女の子、という場面ではなくなんともいえない家族の愛情を描いているところじゃないかなと思いました。治療の影響で髪の毛が抜けてしまったケイトが同じ病気を抱えるボーイフレンド、テイラー(トーマス・デッカー)とダンスパーティーに行くというシーンがあります。サラは髪の毛のないことを恥じるケイトのためかつらを買い、ものすごくおしゃれなレディーに変身させます。ケイトを迎えに来たテイラーの元に2階からケイトが登場し、それをサラとアナが写真に収める。そしてその様子をやさしく見つめる父のブライアン。私はそこで涙腺ダムが決壊してしまいました。
人は心の浄化が必要だと思います。そんなときには、この作品がぴったり!と思いますよ。
小池由起
TOHOシネマズ 日劇ほか全国にて公開中
映画「私の中のあなた」公式HP http://watashino.gaga.ne.jp/