ワンショット劇場

『アーティスト』4月7日(土)から公開

2012/03/28

来週はもう4月だというのに、今年はいつまでも寒いですね~。寒いときには暖かい劇場がイチバン!だと思っているあなたにぴったりの作品が公開されます。今年のアカデミー賞で作品賞、監督賞、主演男優賞、衣装デザイン賞、オリジナル作曲賞と5冠に輝いたモノクロ&サイレント、フランス映画『アーティスト』です。フランス映画の作品賞はアカデミー史上初、サイレント映画の受賞は第1回以来83年ぶりと異例続きのうれしい誤算という結果になった作品です。
 1927年のハリウッド。当時の主流、サイレント作品の大スター、ヴァレンティン(ジャン・デュジャルダン)はハプニングで彼にキスをした女優志望のペピー(ベレニス・ペジョ)を見初め、女優になる道筋をつけてあげます。セリフのない役からあっという間に大スターとなったペピー。そのとき時代もトーキー映画への道を歩み始めたのです。そんななかヴァレンティンはトーキーなど所詮キワモノ。自分は芸術家(アーティスト)なのでそんな作品はお断りと映画会社と決別してしまいます。私財をなげうってサイレント映画にかけるヴァレンティンですが、最終的には破産してしまいます。それを見ていた大女優となったペピーは一策を講じます。さて、どういう結果に・・・・。
 あまり見ることのない白黒、サイレントということで最初は戸惑いましたが、上手い役者、魅力的な音楽(音楽だけは聞こえるのです)そしてクラシックな衣装というなんともいえないハーモニーにぐいぐい引かれていきます。さっすがフランス映画!といえるようなおしゃれな演出も多々見ることが出来て、うっとりします。おちぶれたヴァレンティンがお店のウインドウにあるタキシードを見つめる場面が私は一番好きでした。登場人物は全員映画が大好きなんだ!ということが見終わった後、心に響く作品です。そうそうもう一つの魅力を忘れていました。ヴァレンティンの愛犬アギーです。今年の犬のアカデミー賞に輝いたアギーの演技もお見逃しなく!往年のハリウッド作品ファンである熟年カップルばかりでなく、最近3Dしか見ていないイマドキカップルにもお勧めの作品です。

バックナンバー

2012年09月

2012年06月

2012年05月

2012年04月

2012年03月

2012年02月

2011年12月

2010年08月

2010年07月

2010年06月

2010年05月

2010年04月

2010年03月

2010年02月

2010年01月

2009年12月

2009年11月

2009年10月

2009年09月